「徘徊」使いません 当事者の声踏まえ、見直しの動き

 認知症の人が一人で外出したり、道に迷ったりすることを「徘徊(はいかい)」と呼んできた。だが認知症の本人からその呼び方をやめてほしいという声があがり、自治体などで「徘徊」を使わない動きが広がっている

 

 東京都町田市 認知症の初期と診断されている生川さん(68)は「徘徊と呼ばれるのは受け入れられない」と話す。

散歩中に自分がどこにいるのか分からなくなった経験があるが、「私は散歩という目的があって出かけた。道がわからず怖かったが、家に帰らなければと意識していた。徘徊ではないと思う」と話す。

 

福岡県大牟田市は、認知症の名称から「徘徊」を外し、状況に応じ「道に迷っている」などと言い換えている。

 

兵庫県は、啓発冊子のタイトルを「認知症『ひとり歩き』さぽーとBOOK」とした。

東京都国立市は「いいあるき」という。

「迷ってもいい、安心できる心地よい歩き」という意味を込め、16年から始めた模擬訓練で用いている。

 

 鳥取市は「『徘徊』という言葉で行動を表現する限り、認知症の人は困った人たちという深層心理から抜け出せず、本人の視点や尊厳を大切にする社会にたどり着けない。安心して外出が楽しめることを『当たり前』と考え、必要なことを本人と一緒に考えてほしい」と話す。